合計の行を見ても、庭がどうなるかは分からない
見積書を開くと、まずいちばん下の合計金額に目が行くと思います。
ただ、その数字を見ても、作業が終わった翌朝に庭がどうなっているかは読み取れません。
同じ「伐採一式」という1行でも、木を倒して幹を庭の隅に積むところまでの金額と、その幹を軽トラックに積んで運び出し、処分するところまでの金額とでは、業者側がやる作業の量が違います。
前者なら、作業が終わった庭には切った幹と枝が残ります。
後者なら、木があった場所が空いた状態で引き渡されます。
合計金額の数字そのものは、この差を教えてくれません。
だから見積書は、金額の欄より先に見る場所が2つあります。
切った木がどこまで行くかが書いてある箇所と、金額が変わる条件が書いてある箇所です。
この2箇所が読めていれば、合計はそのまま受け取って構いません。
逆に、2箇所があいまいなまま合計だけを眺めていると、作業のあとに自分の側で片付ける仕事が残ったり、当日になって金額が動いたりします。
見積書を読むのは、ふつう人生で何度もあることではありません。
細かい項目を全部理解しようとすると疲れるので、見るところを2箇所に絞ってしまうほうが早いです。
1箇所目 切った木がどこまで行くかの行
伐採という言葉のなかには、実際には4つの作業が入っています。
枝を落とす、幹を切り倒す、倒した幹を運べる長さに切り分ける(玉切り=たまぎり)、そして運び出して処分する。
この4つのうち、どこまでが見積書の金額に入っているかを確かめます。
見積書に「伐採 一式」としか書かれていない場合、その一式がどこで終わっているかは、書面からは分かりません。
項目が分かれていて「玉切り」「搬出」「処分」という語が見えるなら、そこまで含まれていると読めます。
語が見当たらないときは、含まれていないのか、まとめて一式に入っているのか、どちらもあり得ます。
ここを飛ばすと何が起きるかというと、庭に幹と枝が残ります。
太い幹は乾く前は水を含んでいて重く、ひとりで動かせる大きさにするには刃物と、それを扱う場所が要ります。
運び出す手段も自分で用意することになります。
木を切ること自体は業者に頼んだのに、いちばんかさばる部分が手元に残る形です。
当社の料金表では、伐採の金額に玉切り・搬出・処分まで含めています。
たとえば樹高3m未満の木なら11,000円(税込・1本あたり)で、この額のなかに切った木の処分までが入っていて、作業後に処分費を追加で請求することはしません。
木の量が読みにくいのは私たちの側の仕事なので、その分をお客さまに後から回さない前提で金額を組んでいます。
見積書の該当する行を指で押さえて、「この金額で、切った木はどこまで行きますか」と聞けるようにしておけば、この1箇所は終わりです。
2箇所目 金額が変わる条件が書いてある行
もう1箇所は、金額が空欄になっている行や、「別途」「実費」「現地確認のうえ」と書かれている行です。
ここで先に言っておくと、空欄そのものは悪いものではありません。
現地を見ないと工数が決められない作業に、書面の見栄えのために金額を入れてしまうほうが、あとで危ないです。
当社の料金表でも、樹高7m以上の木、幹まわり60cm以上の切り株、電線際や重機が入らない場所での特殊伐採は、金額を空けています。
作業方法で工数が数倍変わるので、現地を見ずに額を出しません。
見るのは空欄かどうかではなく、その横に「何を見て決めるか」が書いてあるかどうかです。
整地の行に「面積と土の状態によります」とあれば、面積を伝えれば金額が動く方向が分かります。
抜根の行に「掘削できる余地があるかを現地で確認します」とあれば、当日に何を見られるのかが読めます。
決め方が書いてある空欄は、あとで出てくる金額の根拠を先に開示している状態です。
反対に、条件の説明がないまま「別途」とだけある行は、何が起きたら増えるのかが読めません。
読めないものは、口で聞くしかありません。
聞いた答えが「木の量によります」で止まるなら、量をどう数えるのかまで踏み込んで確かめておくと、当日の会話が短くなります。
出張費の行も同じ見方です。
当社は無料になる範囲を整理中で、料金表では金額を空けています。
整理中と書いてあるものは、書面に入る前に口で確認できます。
見積書に出張費の行そのものが無いときは、含まれているのか、あとから乗るのかを一度確かめておくほうが安全です。
川口で伐採を頼むとき、見積書を前にして聞く2つの質問
ここまでの2箇所は、そのまま2つの質問になります。
1つ目は「この金額で、切った木はどこまで行きますか」。
庭に積むまでなのか、運び出して処分まで含むのかを、金額の説明としてもう一度言ってもらいます。
2つ目は「この金額が増えるとしたら、どういうときですか」。
これは答えにくい質問です。
ただ、答えられる場合は、条件が具体的な形で返ってきます。
搬出経路に軽トラックが入らなければ人力で運ぶ距離が伸びる、幹の中が腐っていて切り方を変える、隣家との距離が近くて倒せず上から下ろす。
こうした条件が出てくれば、当日にその条件に当たったかどうかを自分で見て確かめられます。
逆に「やってみないと分かりません」で終わる場合、増えるかどうかの判断が相手の側にしかない状態です。
それが悪いというより、そういう見積書なのだと分かった上で受け取ることになります。
川口の住宅地は敷地に余裕が無い現場もあり、倒す方向が取れなければ上から順に切り下げる作業に切り替わります。
作業方法が変わる可能性がある現場ほど、この2つ目の質問の答えが効いてきます。
見積書を見比べたことがある方なら、合計だけを並べても判断できなかった経験があるかと思います。
並べるなら、合計ではなく、この2箇所の書きぶりを並べるほうが差が見えます。
今日、手元の見積書に引く2本の線
やることは2つだけです。
1本目の線は、切った木の行き先が書いてある行に引きます。
「玉切り」「搬出」「処分」の語を探して、あれば囲む、無ければその行の余白に「どこまで?」と書き込んでおきます。
2本目の線は、金額が空欄の行と「別途」「実費」と書かれた行すべてに引きます。
そのうえで、横に決め方が書いてある行は消し、書いていない行だけを残します。
残った行が、聞くべき項目です。
線を引いてみて、どちらの行も見当たらないという見積書もあります。
その場合は項目が「工事一式」でまとまっているので、中身を口で聞くところから始めることになります。
手間に見えますが、確認は見積もりの段階なら数分で済み、作業が終わったあとだと取り返しがつきません。
順番を変えるだけで、動く金額が減ります。
この記事に関するよくあるご質問
- 見積書の「伐採一式」は、どこまでの作業を指しますか
- 一式の中身は見積書によって違います。
木を切って庭に積むところまでか、玉切り・搬出・処分場での処分まで入っているかで、作業が終わったあとに庭に残るものが変わります。
当社の料金表では、伐採の金額に玉切り・搬出・処分まで含めていて、作業後に処分費を追加で請求することはしません。 - 金額が空欄になっている行があるのは、あとから高くなるということですか
- そうとは限りません。
樹高7m以上の木や、幹まわり60cm以上の切り株のように、現地を見ないと工数が決まらないものは空欄にしています。
見るのは空欄そのものではなく、その横に何を見て決めるかが書いてあるかどうかです。 - 出張費は見積書に載りますか
- 当社は無料になる範囲を整理中のため、料金表では金額を空けています。
書面に入る前にお伝えします。
見積書に出張費の行が見当たらないときは、含まれているのか別で乗るのかを口頭で確かめておくと、あとで動く金額が減ります。