抜根で掘るのは、切り株の真下だけではない
切り株を抜くと聞くと、株の輪郭にそって下へまっすぐ掘り、そのまま引き抜く絵を思い浮かべる方が多いかと思います。
実際の作業はそうなりません。
木の根は幹の真下へ一本で伸びているというより、地表に近いところを横へ広がっているものが多く、株だけを持ち上げようとすると、その横に張った根が地面につっかえて動きません。
掘る範囲を株の輪郭で止めてしまうと、深さをいくら足しても株は浮いてこないわけです。
そこで抜根では、株の外側にひと回り大きい円を描いて、その線から掘りはじめます。
円の大きさは、幹の太さでだいたい決まります。
太い株ほど、そこから出ている根も太く、遠くまで伸びているためです。
料金を幹まわりで分けているのはこの理由で、幹の太さが、掘る範囲と切らなければならない根の量の見当になります。
木の高さや葉の茂り方ではなく、地面の際で幹をぐるりと測った長さで見ます。
掘りはじめる前の段階で分かるのは、この円のおおよその大きさまでです。
何本の根がどちらへ伸びているかは、土をはがして初めて見えます。
抜根の見積もりで、伐採ほどきっぱりした額を出しにくい場面があるのは、地中の様子が上からは読めないからです。
掘りはじめてから埋め戻すまで、順番は4つ
作業の流れは、大きく4つに分かれます。
1つめは、掘る外周を決めて表土をはがすところ。
ここで芝や砂利、根に絡んだ雑草をよけておくと、あとの掘削で土と混ざらずに済みます。
2つめは、株のまわりを掘り下げて太い根を出す作業です。
株を囲むように溝を掘っていくと、横へ伸びた根が壁の面から順に顔を出します。
3つめが根を切る工程で、ここが抜根の中身です。
まず横へ伸びている根を切り離し、株を左右に揺すって、まだどこかで地面につながっている方向を探します。
動かない側にまだ根が残っているので、そちらを掘り足して切ります。
これを繰り返すと、最後に下へ向かった根だけが残り、それを切った時点で株が地面から離れます。
4つめが、株を穴から出して掘った土を戻す埋め戻しです。
株と根を運び出したあと、掘り上げておいた土を戻して踏み固めます。
切った根や株そのものは持ち帰って処分するところまでを作業に含めているので、庭に山を残していくことはしません。
順番を書き出すと単純ですが、時間がかかるのは3つめです。
掘って、切って、揺すって、また掘る。
この往復の回数が、株の太さでそのまま変わります。
掘り返される帯の上に、今日なにが載っているか
読み終えたあとに1つやることを挙げるなら、これです。
切り株のところへ行って、株の外側にぐるりと帯を想像し、その帯をまたいでいるものを数えてください。
上に載っているものとしては、敷石やレンガ、花壇のふち、砂利、置きっぱなしの鉢、物置の脚、ウッドデッキの端あたりが出てきます。
動かせるものは作業日までに移しておくと、はがして戻す手間が減ります。
動かせないものは、見積もりのときに位置を伝えてください。
もう1つ、地面の下にあるものを見ます。
散水栓の蓋、水道メーターの箱、屋外コンセントの配線、雨水ますの位置です。
切り株のすぐ横にこれらがある場合、掘る方向を変えるか、その側だけ手で掘ることになります。
フェンスや塀の基礎も同じで、コンクリートの基礎が株のそばまで来ていると、根が基礎の下へ回り込んでいることがあります。
基礎を傷めない範囲で根を切るぶん、作業は遅くなります。
こうしたものは、こちらが現地で見ても地表からは全部は分かりません。
ふだんその庭を使っている方のほうが、どこに何が埋まっているかを知っていることが多いかと思います。
川口の伐採・抜根で、掘る余地が取れないとき
川口市の東部にある安行(あんぎょう)一帯は古くからの植木の産地で、住宅地の中にも大きく育った庭木が残っています。
そういう木を切ったあとの切り株は太く、掘る円もそれだけ大きくなります。
ところが敷地の側は、木が植わったあとに塀や物置ができていて、株のまわり全周を掘れるとは限りません。
片側が隣家のブロック塀、片側がコンクリートの土間、という状況だと、掘れるのは残りの二方向だけになります。
この場合は掘れる側から根を追い、株を掘れる側へ倒して抜き出す形にします。
全周から攻められるときより、揺すって根の残りを探す回数が増えます。
幹まわりが太い株について、料金表に金額を置かず「掘削できる余地があるかを現地で確認します」としているのは、この差があるからです。
同じ太さの株でも、四方が空いている庭と、塀とコンクリートに挟まれた場所とでは作業が別物になります。
川口の伐採で木を倒せる方向が現場ごとに違うのと同じで、抜根も地面の条件のほうが先に決まっていて、こちらはそれに合わせて掘り方を変えます。
伐採と抜根を同じ日に頼めるかどうかを迷っている場合も、判断材料はこの余地です。
株のまわりに人が入って掘れる幅があるか、掘った土を一時的に置ける場所があるか。
この2つを見ておくと、現地で話が早く進みます。
埋め戻したあとの地面は、少し下がることがある
穴を埋め戻すと、掘る前の地面と同じ高さに戻る、とは限りません。
株と根が占めていたぶんの体積が地中から抜けているので、掘り上げた土だけでは足りず、表面がわずかに低くなることがあります。
踏み固めても、雨が入ってしばらくすると、もう少し沈む場合もあります。
その場所を花壇や芝に戻すのであれば、この程度の高低差は土を足して調整できます。
一方、跡地を駐車場にする、物置を置く、コンクリートを打つといった予定があるなら、埋め戻しのあとに表面を平らに均す作業が別に要ります。
整地に定額を付けていないのは、均す面積と土の状態で作業量が変わるためです。
あとで何に使うかは、抜根を頼む時点で伝えておくほうがいいところです。
掘った土をどう戻すか、根の細かいものをどこまで拾うかが、その予定によって変わります。
切り株を抜いて終わりなのか、そのあと何かを載せるのか。
この一言があるかないかで、当日の段取りが変わります。
この記事に関するよくあるご質問
- 抜根では切り株のどのくらい外側まで掘りますか
- 株の輪郭ではなく、その外側にひと回り大きい円を描いて掘りはじめます。
円の大きさは幹の太さでだいたい決まり、掘っていって太い根が出てきたら、その根に沿って掘り広げます。
掘れる余地があるかどうかは、塀や建物との距離を現地で確認します。 - 掘った穴はそのまま残りますか
- 抜根の作業には、掘った穴の埋め戻しまで含めています。
ただし株と根が地中から抜けたぶん土の量が減るため、埋め戻したあとの地面が周りより少し下がることがあります。
表面を平らに均す整地は、面積と土の状態で作業量が変わるため別に見ます。 - 抜根の前に庭でやっておくことはありますか
- 切り株のまわりに掘り返される帯を想定して、その上に何が載っているかを見ておいてください。
鉢や敷石のように動かせるものは先に移し、散水栓の蓋やフェンスの基礎のように動かせないものは、見積もりのときに位置をお伝えください。